6月に漬けた梅の天日干し。まだ見習い中なので、
漬けたのは1kg
と少ない。





2011.08.04 梅干しと長梅雨





 今シーズンは、沢の企画が三つもつぶれてしまった。五月の泙川小田倉沢、七月の鬼怒川魚沢と南ア大武川の遡行である。どれも悪天による中止だ。今年は、五月末から入梅となり七月上旬まで、毎日がしっかりと梅雨空だった。今年は、遡行の回数を減らし、入魂の遡行を心がけているので、中止になったときのショックも大きい。しばらく、何もすることなく、ボーッとしている。

 6月中旬に遡行した南ア濁川笹ノ沢は、なかなか素晴らしい渓だったが、雨模様の天気だった。笹ノ沢は、沢床に花崗岩の白砂が積もった、歩いても濁らない水の清らかな沢だった。サントリーの醸造所がこの沢の下流にあることもうなずける。出合から黒津沢出合まで大小様々な滝が現れる。途中で現れるゴルジュも天候に恵まれれば歓声の上がる遡行になると思われた。どこも、巻こうと思えば比較的簡単に巻けるので、初心者がいても難しくはない。
 ただ、この渓には、前進の難しい滝が二箇所ある。1280m付近のCS7m滝とその先の12m直瀑の滝である。前者は、戻って左岸を上がり斜面をトラバースして巻いた。そう難しいところはない。後者は戻って左岸の急なブッシュを50mほど一気にあがり小尾根に出た。この巻きは、地形図から簡単に判断できる。小尾根から黒津沢を目指して下ると、自然に黒津沢の出合に導かれる。出合には、みごとな九輪草が咲いていた。この左岸にひらける広いテン場でタープを張った。

 今年も梅干しを作った。梅干しは園田さんの教えによるものだ。梅雨明けに梅を干すつもりだったが、もどり梅雨が続き、なかなかその機会がやってこなかった。8月に入りようやく夏らしい気候になった。この二日ほど好天が続き、やっと梅を干した。天日に干すと梅の色が赤みを増してくるのが分かる。昨年は、原料梅の熟成が足りなかったが、今年は黄色に完熟した梅を使った。梅の壺を開けると梅の強い香りが漂ってくる。箸で梅の肉を破って食べると何とも言えない幸福な香りがする。これは、買ってくる梅干しには無いものだ。
 梅干しというと、まだ私が小学生の頃、母親が漬けたあんずの香りを思い出す。しっかり熟したあんずを梅のように漬けると、その香りは梅よりも強く、甘い香りがする。なぜ母親は、梅ではなくあんずを漬けたのだろうか。今となっては知ることもできないが、あの強く甘い香りが好きだったのではないかと思う。子供だった私たちは、この強い香りが苦手で、だれもあまり食べなかったように思う。家族みんなが食べないので、そのうち母親も作るのをやめてしまったのだった。もう父親が亡くなったあとだと思う。漬けたあんずを半分に割って種を出し、紫蘇で巻いて砂糖を加えて漬け直したあんずは、私たちも美味しく食べた記憶がある。今思えば、あのように手のかかった贅沢な食べ物はそう無いものと思う。



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