沢のほとりに九輪草が 今が盛りと


笹ノ沢遡行
 南ア神宮川濁川
2011年6月18〜19日
さわね 10名
西嶋さん、下野さん、Kさん、moguさん、本多さん
クマチさん、高貫さん、横山さん、タケさん、高橋


遡行図

 2014年の遡行 → 笹ノ沢二ノ沢


コースタイム
6月18日
ゲート前出発10:15−笹ノ沢出合10m滝10:45−三段35m滝11:28−8m滝11:47〜12:51−1200m二俣12:46−1250m二俣13:15−1290m支沢出合14:06−黒津沢出合15:00
6月19日
黒津沢出合7:00−アレ沢出合7:23−3mCS7:46−二俣7:58−二俣状8:17−稜線9:33〜39−雨乞岳分岐10:14−1600mホクギノ平11:10−雨乞岳登山口12:41


プロローグ
 焚き火会と称して南ア北部の笹ノ沢へ出掛けた。さわねの例会を山の中でやろうという訳だ。ここは、サントリーの工場の傍を流れる神宮川濁川の支流である。前から気になっていた沢で、何とか歩きたいと思っていた。さわねの人口が増え現在は14名だ。今回は10人の参加があったので、A、Bグループに分けて出発。あいにくの梅雨空だったが、この梅雨空をはね返すような美渓で興奮した。A、Bグループに分けて登ると、面白いことに難しい滝のルート取りが全く異なった。意識してではないので、沢でのルート取りは様々に可能だということだろう。夕刻に強く降った雨のために、A,Bグループ集う焚き火はできなかったが、雨のやんだ後、Bグループは執念の小さな炎を燃やした。焚き火というのは、小さくても体を温めるものと実感した。
 笹ノ沢は、沢床が白砂で美しい。岩には青い苔が生え、新緑も美しく谷をおおう。歩いても水が濁らず、なぜこれが濁川というのか不思議な気がする。この名は、稜線上の濁山に由来するらしい。だが、今はその山がどこなのか分からない。笹ノ沢の遡行の第一の核心は、出合いから始まり1200mの二俣まで続く。大小の滝が間断なく続く文字通りのハイライトである。登攀が難しい滝は、どこも左岸を巻くことができる。主な滝は、出合いの10m滝から始まり、12m末広がり滝、25m滝、三段35m滝である。1200mの二俣から1250mの二俣までは、小さなゴルジュの続く第二の核心だ。ここは、理屈抜きに楽しい。第三の核心は、1280m付近に現れる巨岩帯に阻まれる辺りから黒津沢出合1340m付近に展開される。7mCSと垂直の12m滝の通過が核心となる。


第一の核心
 ゲートから林道を歩いてくると、前方に大きな堰堤が見えてくる。その手前に大きな滝10mを落としているのが、笹ノ沢だ。この滝が見えてくると、沢へ降りる踏み跡がある。沢に立つと、豪快に水を落とすこの滝にまず圧倒される。だが、ここは右の窪から簡単に巻ける。この先は、末広がりの12m滝だ。滝左がホールド豊富で快適に登れる。水流を集めて豪快に落ちる25m滝は一見登れそうにない。滝手前の右岸の窪を上がったが、ここは岩が脆いので緊張する。この滝は、左岸を簡単に巻けるようなので、そちらの方が良いだろう。CS5mを右から巻いて上がると、三段35m滝だ。ここも水勢が強く直登は難しい。滝右に窪がある。ここを登ってから落ち口へ巻いて上がる。滑りやすいところがあるが、ここは難しくない。だが、ここで人工的な落石があり肝を冷やした。三段35m滝は、二段の滝に見えるが、その上に傾斜のゆるいトイ状滝が繋がっている。15、12、8mの三段滝だ。この上も息つくまもなく、4、3、2、5mの連瀑が続き、どこも好きなところを思い思いに登った。左に8m滝、右に5mほどの岩が現れる所は、みんなは難しそうな5m岩を登ったが、私ひとりは8m滝の三分の一ほどをシャワーで登り、その上を左から巻いた。1200m二俣の手前でスラブの5m、4mの滝が続くが、ここは自らの登攀力を試される場所だった。4m滝は落ち口が滑る。

大堰堤の手前に笹ノ沢の10mF1 F1の上の3m 滝前方に先発隊Aグループと12m末広り滝
前方に25m滝が見える 25m滝 Bグループは左の窪を上がる Aグループは左岸を巻く


      CS5m滝 右が巻ける
三段35m滝 奥に二段目が見える 三段35m滝 右の窪を上がり上部を左岸から巻く


4、3、2、5mの連瀑 8m滝右の壁 8m滝 シャワーで登って左へ


8m滝の上でお昼ごはんに


5mスラブ滝 水流右の弱点を拾って

1200m二俣直前のヒョングリの滝4m




第二の核心というか
 1200mの二俣から1250mの二俣までは、小さなゴルジュの続く第二の核心だ。白い砂と白い岩に各人各様に戯れる。このゴルジュでは、各人の登り方に差が出て面白い。どこも危険なところがないので、歓声が谷間に響いてこだまする。今日の梅雨空はここで完全に弾け飛んだのだった。

ゴルジュの突破がなかなか楽しい


細かいホールドを拾って体を上げる


こんな滝もあって



第三の核心

 1280m付近で前方に巨岩、左手に枝沢を見ると、ここからが第三の核心だ。ここは、大岩の間を5mほどの滝が落ちる。水流沿いはスラブで足元すくわれそうで登れなかった。大岩と左岸の隙間を流木を頼りに上がるとすぐ先に、巨岩のCS7mスラブ滝が見える。ネット情報では、水のないCS滝を登っているようだったが、今日は水量がある。難しい上に水攻めとあっては、軟弱な高橋には難しい。「登れるよ」を主張する高貫さんを無視して巻を探した。ここは大岩を戻って、来た方向へ沢をもどり、両岸壁の弱点を探した。大岩から50mほど戻った左岸に窪があったのでここを登った。上部の一箇所だけ滑りそうだったので、ロープで確保してもらいリードする。テラスに上がると鹿道だろうか、適当な踏み跡があり、難しいところはない。CS7mを巻いて緩やかな斜面を沢床に立った。すぐに左岸の支流が出合う。この支流は30mの高い滝を落としていた。ここからすぐ、沢が左へ曲がったところに、最後の核心12m滝がある。垂直に近いために直登は難しい。先発隊が右のルンゼを登っているようだったが、詰めで苦戦をしている。難しいのだろう。ついには、みんな降りてきた。我々、後発隊は机上の作戦通り、左岸の急斜面のブッシュを50mほど直上して小尾根に上がった。尾根を南西に向かい小ピークから北西の鞍部へ降り、そこから支流黒津沢をめざすことにした。鞍部からの下降は思いのほかやさしく黒津沢の出合に誘われるように降り立った。この出合いの左岸には、広い段丘があり、20人は泊まれる最上のテン場になっている。古い焚き火跡もあった。雨と滝のシャワーで濡れた衣服を替えると体がじんわりと温まってきた。

黒津沢の出合に 九輪草が美しい


黒津沢の出合の先は打って変わって癒し系 こんな小滝が 沢床はあくまでも白い


アレ沢出合 右がアレ沢。前方に小さい滝が見える


こんなV字谷をのんびりと歩く 1425m付近 左から枝沢12m滝 3mCS滝 ここは右を巻ける


3mCSのすぐ上 左岸から高い滝。水は少ないが美しい 流れは細くなるが本流を詰める



アレ沢と詰め
 1380mの二俣で右へ入る。ここがアレ沢だ。二俣の左が笹ノ沢本流だが、下山時間の短いアレ沢に入ることにした。アレ沢は、傾斜のゆるやかな癒し系の谷が続く。落ち着いた渓相の谷をゆったりした気分で歩く。時々両岸から枝沢が落ち、みごとな滝を見せてくれる。いずれも、白い花崗岩である。沢の勾配は次第にきつくなり両岸が岩壁になる。分岐がいくつかあるが、水の多い、床の低い、巾の広い本流を選んで急登を稼ぐ。両岸切り立って詰めの最後が上がれるかどうか心配になってくる。1500m付近で一度沢幅の狭いヤブっぽい流れを急登すると、その先は一度傾斜が落ち沢も開ける。傾斜が急になると稜線は近い。最後まで幅広の沢を詰めあげると一気に傾斜がゆるみ、稜線がすぐそこに見える。この詰めは急だが難しい場面は無い。稜線は標高1700mぐらいだ。はっきりした踏み跡が続いていた。


稜線に上がった後 白い砂をトラバースする 石尊神社へ下る途中 つつじが咲いていた



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