金山谷下山 地蔵尾根に咲くヒトリシズカ


金山谷、岩水沢遡行
 
丹沢神ノ川
2011年5月3〜4日 
moguさん、ガクさん、高橋

遡行図  なし

コースタイム
5月3日 岩水沢 晴れのち小雨
広河原テン場11:07−岩水沢出合11:15−12m滝11:22〜41−二俣(本流12m滝)12:07−本流5m斜瀑−二俣930m13:30−1030m(正面のガレへ)14:01−1100m付近尾根14:26−金山沢15:25−広河原テン場15:30
5月4日 金山沢
 晴れのち曇り
広河原テン場7:00−岩水沢出合7:08−魚止ノ滝7:15〜8:05−仏谷出合8:38−960m二俣10:39−1090m二俣11:38−2060m稜線13:36−広河原テン場15:40


プロローグ
 神ノ川源流の沢を歩いた。ひとつは金山谷、もうひとつは小さな岩水沢である。神ノ川は、丹沢北部の大室山、檜洞丸、蛭ヶ岳、袖平山の連なる山域の水を掌状に集めている。金山谷は、檜洞丸と臼ヶ岳の中間に突き上げる神ノ川本流と呼ばれる沢であり、岩水沢は、蛭ヶ岳と袖平山の中間尾根、地蔵平に突き上げる小流である。
 岩水沢出合いの少し下流にある広河原に泊まり、両沢を逍遥しようという企てである。この二年は、ガクさんと一緒に神ノ川の支流を歩いてきた。三年目の今年は、昨年さわねに入会したmoguさんが参加してくれた。神ノ川林道を車で入り、神ノ川ヒュッテ先のゲートから1時間少し歩くと林道がヘアピンのように曲がる。ここは、彦右衛門沢の出合で、神ノ川の曲折部にできた大河原を望むことができる。「広河原」と呼ばれているが、いわゆるそこここにある広い河原を想像してはいけない。この河原の端から端まで歩くには、10分もかかる広さなのだから。この広大な河原の一角にテントとタープを張った。見渡す限りの広河原の中で、人の小ささが見える。

スニーカー遡行
 車を降りて歩き始めるとき、ガクさんが沢靴を忘れたという。ガク然とした。こういう時はどうしたら良いのだろう。近くで沢靴を調達するわけにもいかない。かといって、計画を断念するのも悔しい。とにかく広河原へ行くことにした。そこで考えることにしよう。結局ガクさんは釣りをしてテントを守ることにして、moguさんと高橋だけが今日の遡行を決めた。思った以上に時間を使って、出発は11時近くになった。今日は行程の短い岩水沢を歩くことに。だが、次の日は、ガクさんの心に火が点き、スニーカーで沢を歩いたのだから、良い根性だ。この谷は、苔が付いているところが少なく、岩のフリクションがすこぶる良い。この自然の神の思し召しで、次の日の金山谷のスニーカー遡行は大成功だった。これが本当の神ノ川。この源流域の岩を何というのだろう。水に濡れると緑がかり、流れる水を一層透明で清澄に見せてくれる。岩水沢も金山谷もゴーロの沢だが、至る所みごとな滝を懸けている。岩の間を流れる清澄な水と岩壁に生える新芽の緑の下、展開する瀑布は必ずしも高い滝ではないが、限りなく美しい。

焚き火

 焚き火をしている間に小雨になり、そのうちかなり強くなった。最初はカッパを着てやり過ごしたが、いかにも強くなった。タープの張ってあるそばに焚き火を移動した。これは初体験だったが、結構うまく出来るものだ。一度火が回ってしまえば焚き火も少々の雨では燃え続ける。どのぐらい雨の中で焚き火を見ながら話をしたことだろう。明るくひらけた広河原も次第に深い闇が占めるようになった。moguさんとガクさんが機関銃のように山を語らっている。どちらも山に関しては素晴らしい博識だ。様々な山名が飛び交いその感想がとうとうと語られていく。山については少ししか知らない高橋は圧倒されて、時々話を挟む程度だった。焚き火の明かりを凝視めながら、深い闇のせせらぎを聞いた。風のない夜だった。雨はいつごろ止んだのだったか。

焚き火を見て語る山の世界 小雨降る夜がふける




5月3日 岩水沢

最初の大きな滝12m 左壁を登る。落ち口は水流沿いを
上がった。落ち口だけが要注意。最初の滝で緊張する。


12m上の小滝 水と岩が美しい こんなゴーロを上がっていく 13m滝 左の支流に入る
13m滝の左手の支流 奥に滝が見える。 支流の水の少ない4m滝を越えて上がる 支流左岸の枝尾根に入り、本流へ戻る 本流を遡行すると1000m付近で水が涸れる

 13m滝は、右の岩の窪を登るとあるが、新ルートを探すことにした。この滝の手前には左から支流が入っている。奥に滝が見えるが登れそうである。地形図をみると、この支流の先で、中間尾根を越して本流へ戻れば良い。そんな考えだった。地形図も緩傾斜になっている。支流へ入り4m滝を越すと左から水のある枝沢が入る。さらに支流を15mほど歩いて左岸の枝尾根に取り付いた。この枝尾根は、13m滝方面へ落ちている。この支尾根を下がり、途中から左手に現れる本流を見て下降した。ここでは、ロープを出した。降りたところが、下の写真、斜滝5mであった。


支流から巻いて本流へ戻ったところ斜滝5m。難しそうに
見えるが、左の岩に絶妙なルートがある。



5月4日 金山谷

金山谷の難しい滝
 最初に現れる手強い滝は、魚止ノ滝と言われている。5mほどの釜のある滝だ。釜に入って左の細流を登ることになるだろうが、完全に濡れる。5月初旬の早朝では寒い。この細流を登る気がせず、巻に入った。滝を戻ってすぐ、右岸の上部10m程にトラロープが見えた。だが、ここは直登より悪い。ホールド乏しく、滑りやすく、やっとのことで、テラスへ上がった。このテラスの先をトラバースして落ち口先へ降りた。テラスには、下流の方から踏み跡が続いていた。この踏み跡は、地蔵尾根の取り付きから続いているのだろう。巻くならその方が良い。丹沢の仙人マシラの情報によると、やはり地蔵尾根の取り付きから入るとあった。
 標高890m付近、右が大きくガレて沢が左へ曲がる所に5m程の滝がある。その右手から細流が落ちている。この5m滝の先、V字谷に滝が続いている。金山谷でもっとも美しい場所だろう。小滝、5m滝、その先には8m程の大きな滝が見える。ここは、簡単には巻けないので、突破ルートを探すことになる。5m滝は右の壁を登ったが、逆層なので結構難しい。中盤からは、細かいホールドを拾って上がる。以前ここは、右端の窪を登ったが、ここは岩が挟まって登れない。次の8m滝は、左奥のトイ状から登った。滑りやすいが何とかホールドはある。だが、水量が多いときは、ここを登るのは難しいかも知れない。滝の右端に見える乾いた窪が巻のルートのように見えた。この上で沢は右へ曲がる。右岸は大岩壁になっている。この先の二段15m滝は、金山谷最大の滝で、魚止ノ滝とも呼ばれているようだ。ここには、左岸に絶妙な巻き道がある。痩せ尾根が一箇所あるが、見た目ほど難しくない。落ち口への下降には補助ロープを出した。

魚止ノ滝5m 滝を戻りすぐの右岸を巻いた
暖かい時期は、滝左の細流を登った方が良い
魚止ノ滝の上を歩くと 美しい滝が現れた。水がきれい。


仏谷出合い前の二条の小滝


仏谷出合い前の4m滝 広い沢に水が分流する 左4m滝拡大
標高820m付近 新緑がやわらかい緑を見せる


金山谷のハイライト V字谷に5m、8m、15m滝と続く 5m滝前 右の岩を登ったが結構手強い 奥は8m滝


8m滝 豪快に水を落とす 奥の水の少ないトイ状を登った 二段15m滝 左岸の枝尾根を巻いて落ち口へ


960m二俣のトイ状滝5m ナメが現れたり 1025m二俣 巨岩(軍艦岩)の先で
1090m二俣 右俣ゴルジュ ゴルジュに段々4m滝 源流域にナメ滝5m ゴルジュ出口


ゴルジュが開けるとひっそりとマメザクラが咲いていた 辿り着いた源蔵尾根から登ったガレを覗く ここを登った

詰め
 次々に現れる二俣を右へ右へ入り、忠実に金山谷乗越をめざした。水の涸れた標高1200m付近から左岸の崩壊が目立つようになった。金山谷乗越を遠目にみると、詰めが大きく崩壊している。1240m付近の左岸の易しそうな窪を源蔵尾根を目指して登った。ところが、これがいけなかった。尾根に上がる最後のつめが崩壊していて、登れなくなった。ロープを引いてクライマー・ガクさんが、左の小尾根にルートを拓いてくれた。苦労して源蔵尾根に上がった。



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