なかなか見事な滝 2m



曲り沢 大菩薩嶺日川
2010.10.24 くもり
アリスさん(ゲスト)、クマチさん、ガクさん、
moguさん、高橋



遡行図


コースタイム
林道終点・駐車場(入渓)10:52−四段ナメ滝11:07−右から沢(980m)11:30−右から沢(1060m)12:00−左から沢二本12:1637−二俣右へ(1160m)12:56ー3m滝・二俣右へ13:1620m滝13:34−稜線(1400m)14:1846−曲り沢峠15:20−林道終点・駐車場16:00

プロローグ
 大菩薩嶺の日川・曲り沢へ出かけた。千葉県に住む入会希望者のアリスさんを迎えての山行だ。来年度からさわね入会が決まっているmoguさんも一緒だ。そして、体調を崩されていたクマチさんとは久々の対面、これも私にとって嬉しいことであった。それに加えて、新人募集係のガクさんも参加だ。いつもいつも、お疲れさん。沢登りも、5人集まるとにぎやかでまたそれも楽しい。一同、甲斐大和駅に集合して、曲り沢林道へ向った。林道は轍が深く乗用車では苦労するだろう。高橋の車は見かけによらず四駆なので何とか突破した、とはいえ、二度ほど乗客に降りてもらった。これは、先週行った丹沢・セドノ沢と同じだ。最近は、みんなに省みられない林道は補修が進まず荒れた道路が多い。


遡行
 曲り沢は、シーズンを外れた沢歩きの場所としてなかなか好評のように聞く。それは、丹沢ネットワーク編纂の「ウォーターウォーキング」なる書物に紹介されていることと関係があるのだろうか。マイナーな沢でありながら、ネット情報はまあまあ見つかる。後で聞いたことだが、さわねの別々の二人も近々この沢を歩いみたいと思っていたらしい。だが、この曲り沢は、首都圏から中央線に乗って来て、わざわざ歩く沢ではないと思う。ネット情報では、ナメの多い沢のような印象で紹介されているが、ナメもそう多いわけではなく、大方流木と落ち葉のゴーロを歩くことになるからである。滝が無いのは承知の上だが、このゴーロも荒れている。というのは、イノシシがその鼻でゴーロの大半をほじくり返して、延々と荒らされている。これは、今年だけの現象なのかは分からない。まるで豚小屋を歩いている。そんな気持ちになって来る。この、イノシシの無粋がなければ、落ち着いた静かな沢なのだろう。そんな訳で、紅葉の時期にはぴったりのように見えるこの沢は、お奨めしない。

遡行ルートを間違える
 だが、今度の曲り沢は思いがけないサプライズがあった。最初から美しいナメをひたひたと歩き、時には落ち葉の降る木洩れ日の中に、歓声を上げる。そんなイメージを抱いていたが、この高尚な沢歩きはイノシシのおかげで無残にもぶち壊された。もう、1450mの稜線まで単調な歩きが待っているだけ。そう思っていた時、サプライズである。詰めのルートを間違えたおかげで、平凡な曲り沢の遡行が、キラキラと輝く想い出深い沢に変わったのだ。ルートファインディングには、人知れず自信過剰を自認する高橋は、でかい間違いをした。これは、リーダー失格といって良い。あろうことか、詰めのルートを完全に間違えた。水平距離にして500m、標高にして100m手前で、詰めの支沢と勘違いして支沢へ入ってしまったのである。信じられないことだ。左岸の支沢へ入ってから間もなく、地形図と現在地が微妙にずれていることに気付く。これは、どこかで間違えた。だが、このルートは大筋で間違えていない。そう思いながら引き返すことをためらった。「隣の沢を上がってしまったのだろう。詰めればいずれ稜線へ出る。」 最後の二俣で唖然とした。右は岩の脆そうな10m涸滝、左はわずかに水が垂れる20mナメ滝。思わぬ怪物だった。
 稜線までナメを歩く穏やかな沢、のはずだったが行く手を遮られた。「面白そうだから、ここを上がろうよ」というクマチ女史にそそのかされて、考えもせずに中央突破を決断。高橋が20mナメ滝の序盤に取り付くも、傾斜がきつく、岩が剥がれ、ぬめりが強い。三重苦だ。とても万年初心者にアタックできる代物では無い。右の支尾根から巻くことにした。だが、ここも思いのほか手強く、ガクさんが滑った。一部ロープを出して20mナメ滝落ち口へ。クマチ、ガク、moguチームは落ち口右の支尾根を詰め上がる。岩稜に生えたブッシュを狙って急登をこなそうという考えだ。高橋は、今日初めて一緒に登るアリスさんを、あの急登に送り出すわけにはいかないと思った。少しでも安全な沢形を詰める覚悟だった。20mナメ滝落ち口の上で、沢は右へ大きく旋回する。恐るおそる先を覗き見ると、幸運にも際どいルートは無かった。稜線も間近に見えた。とは言っても、稜線直下の急斜面であることに変わりは無い。だが、アリスさんは、懸命に高橋に付いて来てくれ、その足腰の強靭さを見せてくれた。沢の初体験に、こんないやなルートを経験をさせてしまったので、これはまずいと思った。だが、本人はどうやらこの小さな冒険が気に入ったらしく、意外にも喜んでくれたのだった。
 詰め上がった稜線は、自分の高度計で1500mを指していたが、実はここは、標高1400mであった。後で分かったことだが、入渓地点で100m高く高度計をセットしていたのだ。林道終点の駐車場側から入渓したが、この終点の高度を幾つかの情報をもとに1000mと判断したのがいけなかった。詰めの二俣を間違えたのもこのためである。この間違いはポカミスではなく、地形図や遡行図にその地点を1000mと思わせる「誤情報」が含まれていたのである。だが、その「誤情報」を整理できなかったのは自分だ。

補遺
 共同装備に30mロープを選択してあったが、高橋はそのロープを自宅に置いてこようと思った。曲り沢があまりに簡単そうだったからだ。だが、net情報を調べると、ルートを外す連中が多いことに気付き、万一を思って持参したのだった。これは、やはり基本なんだろうなと思った。ロープ無しではこの間違えたルートに突っ込む勇気が起きなかっただろう。ましてや新人を連れていたのだから。あー、良かった。
 稜線の登山道に出てひと休みしたら、またまた、ガクさんがとんでもないサプライズを見せた。旨そうな真っ赤な西瓜だった。先週、丹沢セドノ沢左俣で、大きな梨が剥かれて出てきた時も驚いたが、西瓜には、さらに驚いた。どうりで、ザックが重そうだった。


最初に出てくるきれいなナメ滝 沢床は花崗岩だ



まだ紅葉には早い 高い気温のせいだろう

こんな滝も時には見られるが 大方はゴーロ歩き














標高1000m付近のナメを歩く

標高1000m付近 前方に2m滝が見える



小さな滝が見える 滝が少ないので滝を見るとワクワクする

1100m付近 小滝とナメが続く



間違えて1160m左岸の支沢へ入った 最初の滝 ここで沢が二つに分かれる 右を歩く

間違えて入った左俣の最後の滝 20mナメ滝 直登難しく 右を小さく巻いた


稜線間近 登ってきた詰めの斜面を振り返る



Home