ケサ丸沢 谷川連峰湯檜曽川
2010年9月11、12日
ウェルネス・クライマーズ
大橋さん、山崎さん、高橋
遡行図

湯檜曽川の清流 白樺沢出合

コースタイム
9月11日
マチガ沢出合前駐車場
7:10−武能沢8:589:21−白樺沢出合10:04−ケサ丸沢出合10:52−二俣(1020m)−二俣(1080m)13:22−二俣(1170m)14:32−登山道15:3515:48−武能沢17:20



プロローグ

 湯檜曽川白樺沢の支流、ケサ丸沢へ出かけた。昨年は、さわねのガクさん、Kさんと登ったが、今回はウェクラの大橋さん、山崎さんと一緒だ。沢の遡行では、一度登った沢へは行かない人が割合に多いが、私は気に入った沢であれば何度でも出掛ける方だ。尾根歩きの登山でも、沢の遡行でも、その都度表情を変えるので時々に楽しい。一度山を登っただけで、その山を知ってしまったように思うのを私はあまり好まない。

再び路上生活
 見上げると、空は満天の星だった。ここが何処であるのか忘れさせるような空だった。バス停の端に銀マットを広げて横になったのは、すでに11時を過ぎていた。風が吹いていて心地良かった。ときおり、貨物車が入線してきて騒がしくなるが、じきにまた元の静寂が戻る。いつの間にか眠りに落ちた。目が覚めたのは朝方の5時ごろであった。こんなに痛快に眠ったのは久しぶりだった。眠る前に呑んだビールのせいだろうか。水上駅は遠い。三島の家を出たのは午後三時過ぎであるから、ここへ来るまで7時間以上かかっている。
 地べたに寝るというのは不思議な感覚だ。人が見ていなくても地面に横になるのには抵抗がある。だが、ひとたび座ったり横になると、次第に落ち着いてくる。銀マットの周囲がまるで自身の住居のようになじんでくるのであった。地面と一体化する感覚も生まれてきて、益々打ち解けていいく。小一時間もすれば、自分の寝室と変わらない心地良さに満たされるのだった。今日は一人だったが、期せずして越後湯沢駅の前で路上生活をした先週に続けての体験だった。
 9月12日の日曜日の天気が谷間のようなので、遡行日を天気の良さそうな11日、土曜日に変更した。この場合、水上駅に早朝に集合する必要があるので問題がある。なぜなら、高崎泊まりで、早朝に高崎駅を出発しても7時半にしか水上駅に到着できないからだ。ケサ丸沢を遡行するにはもう少し早く行動しなければならない。山崎さんたちとは、6:30〜7:00に水上駅集合にした。

遡行
 昨年ケサ丸沢へ来ているので、今年は前回とは少し異なる登り方をしてみたいと思った。魚止ノ滝上のゴルジュ通過、25m滝の登攀ルート、10mトイ状滝のクリアなど、その幾つかを果たすことができた。水が少なかったのが幸いした。
 武能沢の途中で沢支度をしているときに豊野さんに会った。テレビで、確か湯檜曽川本谷の遡行だったように思う。カメラに収めたものを見たことがある。すぐに名前が思い浮かばなかったので、名前を呼ばなかったが二言三言ことばを交わした。これから本谷を遡るとのことであった。連れが二名いた。豊野さんは、朝日、飯豊などのガイド本を何冊か出版している方だ。おそらく沢の愛好家で氏を知らぬ者はいないだろう。調べてみると沼田市在住とある。いわば地元の人である。
 アプローチの間に2パーティー、下山途中で3パーティーに会った。沢で他のパーティーに遇うのはめずらしい。湯檜曽川の人気に改めて驚いた。半分は本谷遡行、半分はケサ丸沢遡行のようであった。12日の早朝、テン場を発ってすぐ、ケサ丸沢を遡行するさわねの西嶋さんに会った。西嶋さんに会ってじきに雨が強く振り出したので、心配だった。

 武能沢を下がり湯檜曽川を遡るとすぐに魚止ノ滝がある。斜めに落ちる豪快な滝だ。8mぐらいはあるだろうか。ここは滝手前の右岸の岩壁を上がる。残置ロープがあるので登れるが、そうでなければ登れないだろう。昨年ここを登るときは緊張した。右岸を上がると沢沿いに巻き道が続き、自然にゴルジュを巻くようになっている。だが今回は、濃い踏み跡に従って途中からゴルジュに降りた。水が少ないので上部ゴルジュの通過ができるかも知れないと思った。ゴルジュの小滝や側壁は水に磨かれていてホールドがない。倒木やバンドをうまく使ってゴルジュを抜けることができた。緊張した。

魚止ノ滝手前ゴルジュ入口  険谷を思わせる雰囲気だ


魚止ノ滝  滝すぐ手前の右岸を上がった。残置ロープがある。

















魚止ノ滝 右岸の巻き道へ上がる山崎さん

ゴルジュ上部 水流沿いや側壁のバンドを使って登る





ゴルジュ  流木を伝ってゴルジュをかわす






 ケサ丸沢出合の先にある25m滝は、近付いてみると相変らずの迫力だ。できれば、滝を登りたいと思ったがとても登れそうにない。左の乾いた岩を上がり、さらに左から右上のブッシュをめがけて登った。昨年は、このブッシュをさらに上へあがったが、今回はここから落ち口の方向へトラバースした。落ち口に降り立つところで高度感に晒されるが、難しくはない。ここはロープを出した。上部で後続を確保しようとしたが残置支点がない、確か昨年は二箇所もあったはずなのだが。おかげで支点作りで時間が取られてしまった。この上は、傾斜の緩い三段20mナメ滝になるが、水が少ないのでやや迫力がない。帰りの釣師の言うには三分の一ということだが、水量半分といったところではないか。


ケサ丸沢大滝25m 左の草付を上がり、さらに左から落ち口方向へ向かい、小さなカンテを
交わして落ち口へ降り立つ



























大滝25m  カンテを越えるところが緊張する

三段20mナメ滝途中から 後方に笠ヶ岳が見える

 左に左俣を分けた先の10mトイ状滝は、昨年登れなかった滝だが、今回は果敢に挑んだ。というのは何か格好良いが、水量が少ないこと、流木がかかっていたことが理由である。だが、登れなかった滝が登れたというのは何か気分がいいものだ。水量が普通にある場合は、水圧に押され容易に登らせてくれないだろう。

10mトイ状滝  昨年は左を巻いたが、今回は水流沿いを上がる




10mトイ状滝 上部の水流を避けて右へ上がる高橋









幅広7m滝  下部には、しっかりしたホールドがある






幅広7mの上部  細かいホールドをひろう大橋さん







  標高差100mの大連瀑帯始まりの四段25mナメ滝(昨年の四段30mナメ滝を訂正)は、昨年は二段目までを左のブッシュから巻いたが、今回は二段目まで(13m)を右のブッシュとのコンタクトラインを上がった。昨年よりはやや難しいルートをとったことになる。二段目の落ち口付近のホールドが乏しいが、水量が少なく岩が乾いていたので登ることができた。三段目は容易。四段目8mは、昨年は右のブッシュで支点を取り細流沿いを登ったが、今回は笹を掴みながら左を登った。ここは下部3mぐらいのホールドが乏しく、ブッシュに入って巻いたほうがエネルギーロスが少ないだろう。

四段25m滝 上段8m 左ブッシュとのコンタクトラインを
登る

連瀑帯の途中から  笠ヶ岳のピークが見える その右は
白毛門だろう


連瀑帯の滝  こんな滝が続く 水量が少ないのでおとな
しい


 黒滝12mは、昨年Kさんが登ったところだが、水がかかるので苦労した。今回は水量が少ないので登れる可能性もあったが、時間も迫っていたので右を小さく巻いた。この上に現れる2、4、10m連瀑上段10mは、昨年の左に変わって右の岩を登った。落ち口手前の段を上がるところと落ち口のホールドがやや乏しい。左右どちらも急なので油断できない
 この滝の上をしばらく歩くと10mナメになる。詰めには荒れていて歩きにくい所がある。ボサも被る。滝がなくなり単調な詰めを歩くと標高1340m付近で登山道へ出た。


連瀑の中段4m、上段10mが見える 上段は右を登った



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