奥鬼怒鬼怒川 オロオソロシ沢

2010年7月10、11日
(晴れ時々曇り、曇りのち小雨)
ウェルネス・クライマーズ
山崎さん、高橋

石楠花がひっそりと咲いていた  詰めのガレルンゼで

遡行図

7月10日
 梅雨時だというのに、今年の山行は調子が良い。危うく雨降りの予報のところで天候が回復して、計画がゴーになるケースが多い。
 ウェルネス・クライマーズの行事で、オロオソロシ沢を遡行した。ウェクラの首領、山崎さんと一緒である。オロオソロシ沢は、鬼怒川源流の支沢だ。初日は、女夫淵から鬼怒川沿いを歩き日光沢温泉へ向う。鬼怒川温泉のどん詰まりである。二時間ほどかかる。さらに鬼怒川の左岸を20分ほど歩き、分岐でつり橋を渡って湯沢峠の登山道へ入る。登山道がジグザグの登りを始める手前で鬼怒川の右岸に降りる。大きな堰堤を越した広い河原にタープを張った。ここからは、「ヒナタオソロシ沢」の20mF1が樹間に見える。ところで、これらのカタカナの沢名を漢字化すると、「日陰恐し沢」、「日向恐し沢」となるらしい。
 その日は出合にタープを張って、ヒナタオソロシ沢を練習がてら遡行した。とはいっても、中盤に懸かる盟主のヒナタオソロシ滝30mは、あまりに高く切り立っているので、その滝を見学したあとは、遡行意欲も失せて下山した。下山途中に大きな熊の足跡が、今通りましたとばかりに残されていた。笛を吹きながらの下山になった。
 焚き火を囲んで山崎さんと四方山話をするうちに日は暮れた。話題は自然に沢のことになる。飯を炊きながら酒を呑んだ。私は、いつも「そうだね」と言って頷いてくれる山崎さんをある意味尊敬している。今日は大橋さんが欠けているので少しさびしいが。そのうち、背後は闇に包まれてゆく。明日の天気を心配していたのだろう。ふと天を仰ぐと、満天の星だった。こぼれるほどに星が瞬いていた。それは、明日の天気を約束しているように見えた。

7月11日
 テン場を7:10に出発した。青空は出ていないが、まあまあの天気だった。歩き出してすぐ、右に昨日登ったヒナタオソロシ沢が見え、前方右岸にオロオソロシ沢の出合が見える。
 出合からは大きな滝が見える。いよいよ沢登りの始まりだ。前衛の滝の先に、今日の最初の大きな滝12mが豊富な水量を落としている。この沢の岩はどこも茶色に見える。水の成分のせいか岩に黄土色のぬめりが付いている。幾分滑る感じがあるが、思った以上にフリクションは良い。ここは、水流右の岩にロープを曳いた。落ち口の下で、岩の間から飛び出した木の根に支点を取った。出鼻の滝は緊張する。この滝の上の大滝15mは、見るからに威圧感いっぱいの滝だが、水流右に弱点がある。さらに三段20m滝は、下段が直登できず右の乾いた岩を上がった。この滝の上段は、傾斜がゆるくなり、フリクションを効かせて登ることができた。出合から湯沢峠に至る登山道の横断地点(標高1600m付近)まで、大小合わせた滝とナメが途切れなく続く。おそらくこれら一連の滝が総称されて、オロオソロシ滝と呼ばれているのだろう。標高差100mの大滝である。
 登山道の横断地点を過ぎると、それまでの緊張は一気に解ける。沢も穏やかになり沢幅も狭くなる。平凡なゴーロが少し続く。だが、源頭部まで4〜5mの滝が始終現われ退屈することは無い。ときどきに沢幅全体に広がる見事な滝や高い滝も現われる。途中の8m滝、12m滝はルートの取り方によっては苦労するだろう。12m滝は、バンドを斜上し落ち口へ上がる水流右のルートが容易に見える。だが、このルートは要注意だ。落ち口数歩のホールドが乏ししい。下からは観察できない。山崎さんがネット情報を思い出して、ここは左をトラバース気味に落ち口へ上がった。
 1890m付近の奥の二俣(3:1)の手前には(1:1)の二俣があるが、ここは右へ入り、奥の二俣まで遡行する。奥の二俣(3:1)を左へ入るとすぐに水が涸れる。この先の二俣状は右の沢幅が狭く、左の沢は開けたガレルンゼになっている。ここは、広い左へ入ったが、本流は右だろう。だが、登山道へ上がるにはこのガレルンゼが良い。浮石が多いので要注意だが、ガレが少ないので登るのには苦労しない。ルンゼは2100m付近で岩に遮られる。ここは、巻くのも面倒なので、岩の弱点を狙ってクライミングを楽しんだ。このすぐ上で登山道だ。偶然、横断する登山者がいたので分かったが、遡行しながら登山道を探し当てるのは簡単でないだろう。登山道横断地点の左のブッシュに長い赤テープを下げた。

コースタイム

7月10日
ヒナタオソロシ沢出合15:15−F1・20m15:15〜28−F2・12m15:45−ヒナタオソロシ滝30m16:20−登山道16:30−ヒナタオソロシ沢出合(テン場)16:50
7月11日
テン場7:10−出合7:12−F1・12m滝上8:02−F2・15m滝8:07〜15−三段20m滝8:28−登山道8:57−8m滝10:19−12m滝10:40−二俣(1:1)1880m−二俣(1:3)1890m−登山道12:22〜45−日光沢温泉14:16−テン場14:37〜15:00−女夫淵17:00



7月10日 ヒナタオソロシ沢

昔ながらの日光沢温泉  風格がある


ヒナタオソロシ沢 20mF1 とても登れない 左の沢から巻く


 右俣12m 登れるような登れないような 



右俣12m滝 右から上がり水流を渡り、左から落ち口へ


ヒナタオソロシ滝30m 左岸戻り気味にトラバースの踏み跡がある。登山道に出る。


7月11日 オロオソロシ沢

オロオソロシ沢の出合(左)


後方12m滝 手前は前衛の滝


 12m滝 水流右を登った


 大滝15m 水流右に弱点がある


15m滝 落ち口下を上る山崎さん 滑るので注意


15m滝の上 ナメとナメ滝が続く


小滝の落ち口を上がる


 三段20m滝  見えるのは下段7m滝 思いのほか水が冷たく右の草付きに逃げる


三段20m滝 横から


















三段20m滝上のナメ


少し穏やかな渓相に変わってきた この上10分ほどで登山
道が横断



登山道横断の上


こんな小ぶりの滝が現われる















小さな滝 苔が生えていてきれい


沢幅がやや狭くなる



5m幅広滝


トイ状滝6m


上部の大滝12m  ここは左からトラバース気味に落ち口を目差す。落ち口はブッシュ
が掴める。右の登りは、落ち口が難しい。


上部の大滝12m 下から見ると小さく見える。















 奥の二俣手前の二俣(1:1) ここは右へ


水が涸れた先の二俣を左へ入る ガレルンゼの登りが始まる


ガレを1時間ほど登ると、前方に岩が現われる ここを越えると登山道(標高2100m)が横断する。
この日は偶然登山者が二組通過したので分った。


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