箱根 新崎川左俣

2010年4月25日 晴れ
高橋(単独)

標高700m付近に咲いていた花
遡行図
 新崎川西俣の本格的な遡行図は、初めて書かれたのかも知れない。これからこの沢へ登ってみたいと考える人に参考になれば幸いである。だが、地形図もいっしょに携帯してほしい。
 我が家は箱根の麓にある。すぐ近くの国道一号線を20分ほど車で走ると箱根峠だ。箱根峠を5分ほど下がった芦ノ湖周辺は、観光の名所だ。特に最近は外国人の観光客が多い。私は、この芦ノ湖一帯を「我が家の裏庭」と呼んでいる。ちょっと車でウォーキングに出かけたり、ゴザを持って昼寝に出かけたり、このあたりで私の足跡の残らない所はない。特に暑い夏には、箱根は天然のクーラーなので便利だ。

 この箱根峠から、6kmほど走ると目的の沢だ。こんな近くに沢登りの対象になる沢があるとは知らなかった。あまり名の知られていない沢なので期待しないで出かけたが、これがなかなかだった。県道75号線の脇に車を置いて、登山道を下がる。この登山道には、源頼朝が平家に追われて隠れたといわれている大杉「土肥の大椙」の跡がある。ここを過ぎて、白銀橋まで約2キロを下る。1キロほど歩くと、今日の目的の新崎川左俣沿いに下ることになる。この辺りは、杉林から雑木林に変わり視界が明るく開ける。沢音だけでも水量の多い沢であることが分かる。途中、樹間に幅広の美しいナメ滝が見えた。今日の沢の遡行を考えると何かワクワクしてくる。中尾沢を過ぎて15分ほど歩くと新崎川右俣へぶつかる。この沢の右岸の急な尾根を下れば左俣と分かれる二俣に降り立つ。
 二俣は、立派な白銀橋のすぐ上だ。右俣の出合には大岩の載る見事な滝(4+3m)がある。本流左俣は思いの他広い沢である。そのためだろう、いたる所にインゼンルができ、左右のどちらを歩くか迷うほどである。水量は多い。丹沢の沢と比べても全く見劣りはしない。今日は、この左俣を歩く。
 新崎川左俣の水量が多いのはこの数日の雨によるのだろうが、そればかりではない。幾つか注ぐ支流の水量がこれまた多い。左俣へ入渓して沢が左へ曲ると廊下になる。右岸の高みから飛沫を上げて滝を落としている。その下は釜のある3m滝、その先にゴルジュ出口の5m滝がある。どちらも大きな釜を持っているので、へつりながらの登攀になる。そう難しくはない。新崎川左俣の特徴は、どの滝にも広い釜があることだろう。
 新崎川左俣は、行程2kmほどの短い沢だ。基本はゴーロ歩きだが、豊富な水量が至るところに美しいゴロタの小滝をかけ、退屈することはない。滝も多い。滝はどれも4〜5mで行き詰るところもないので、初心者にも楽しめる沢だろう。ただ最後の滝10mは、少してこずるかも知れない。ここは右岸の笹を巻くこともできるだろう。滝は、ナメ滝あり、スダレ状滝あり、トイ状滝ありでどれも変化のある趣のある滝ばかりである。水流沿いを登ろうとすれば、水量が多いので濡れる。このところ気温の低い日が続いたため水温が低く、水流沿いの登攀で苦労した。最後の10m滝の上には水揚げのポンプ施設があり、その周辺は配管資材が残っていて見苦しい。それがこの沢の唯一の欠点だろう。


こんなところを下って白銀橋を目指す


白銀橋すぐ上の二俣から右俣のF1を見る

新崎川右俣二段7m1F 上部に大岩が  この右俣の右岸の急尾根を下がって来た

新崎川左俣、廊下に入ると右岸から大きな滝が落ちている  前方は釜のある3m滝

ゴルジュ出口の5m滝  ここは右岸をトラバースして水流左を登る。コケがあって滑る。この滝
手前の左岸から支沢が入っている。

ゴルジュの上で開ける明るい河原  水量が多い


4m滝 ここは左水流沿いを登った。この辺りはインゼルになっている。

4m幅広ナメ滝  右壁はホールド細かく登れない。水流沿いを登るが意外にホールドは細かい。
手は冷たい。

中尾沢出合手前の4m黒滝  左水流沿いを登る


中尾沢を右に分けた先、前方に大きなナメ滝5mが見える

5mナメ滝の上部を登る。この上は難しいので、戻って滝の左を登った。

二段6mナメ滝を快適に登る  この沢はナメ滝が多い

ゆるやかな段々滝4m

流れが寄せられた4m滝(標高630m付近)  滝の手前には深い釜がある。あまりに日差しが
気持ちが良いのでここでお昼にした。水流右は滑りそうで怖いが、思ったよりホールドがあって
助かる。左岸を巻くこともできそうだ。

岩には緑の苔が付いている 沢の幅が少し狭くなる


1:3の二俣を右へ入った先の4m滝 ここは左が登れる

小さなナメ滝  この沢は釜がある滝が多い 釜を避けて歩くのがまた楽しい

最後の滝10m(標高750m付近) 下はハングしている。左壁
からトラバース気味に下段を上がり水流左を登る。苔が付いていて滑る。


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