じょうやま  ほったんじょうざん
 登山後の車の回収が面倒なので、久しぶりに電車で出かけた。三島から修善寺まで伊豆半島を南下する電車に乗って、大仁駅に降りる。大仁駅からは、城山(じょうやま)の大岩壁が見える。国道の大きな橋を渡り、城山の登山口へ向う。歩くにつれて、城山の大岩壁がずんずん大きくなる。伊豆・城山は冬の間クライミングでにぎわう場所だ。
城山の登山口へ向う


登山口へ向うに従って岩壁は大きくなる

 登山口から10分ほど山道を歩くと、垂直に近い大岩壁が見える。いるいる。小さなハングをアブミで越えているクライマーがいる。どこまで上がるのだろうか、頂上までは、200mぐらいの垂壁だ。だが良く見ると、あちらにもこちらにも、蝉のように、いや小さなアブラムシのように岩にへばり付いている生き物がいる。もう150m以上もよじり、最後のピッチにかかっている二人組みも見える。
 クライミングは、つくづく特殊な技術だなと思う。こんな垂直の壁を登ろうと思うことだけでも驚嘆する。もちろん、トレーニングを積んだ上でのことではあるとは思うが、見ているだけでもハラハラする。家内の友人の許婚者は、この壁をクライミング中に亡くなっている。もう40年近く前のことだ。
二人のクライマーがハングを越えて

左と同じ位置、ハングの上に二人がいるのだが

こんなところにも二組のクライマーがいる

中央上部を二人のクライマーが

 横目にクライマーを見ながら、登山路を登ると標高260mの分岐に出る。ここは東へ、城山の頂上へ向う。頂上の展望はすばらしく伊豆半島の中央を流れる狩野川の蛇行の様子と川沿いの市街地を展望することができる。狭い頂上には、先客の二人が休んでいた。言葉も交わさずに互いに展望を楽しむ。そのうち、犬を連れた子供連れが登ってきた。そそくさと頂上を退散する。城山頂上の北西に301mピークがある。少し気になっていたので踏み跡も確かでないピークへ向った。だが頂上の展望は効かない。どうりで誰も歩かないわけだ。獣が歩き去る音がした。再び山道へ戻って、発端丈山へ向う。針葉樹と広葉樹の混じる山道を歩くと15分ほどで舗装道路へ出る。この道路の少し手前で、思いがけずボルダリングできる幾つかの岩を見つけ小休止。岩の周りには濃い踏み跡があったので、トライする者があるのだろう。ハングした岩にはチョークの跡が見えた。簡単なところを登ってみたが意外に面白い。今度は沢靴で登る練習でもしようか。とは言っても、ほどほどにして先を急ぐ。
分岐を城山の山頂へ向う


城山頂上からの展望 狩野川の流れが手に取るように

ボルダリングできそうな岩が幾つかある

ハングした岩にはチョークの跡が
簡単なところを登ってみたがなかなか面白い

 この岩のすぐ先で、狭い舗装道路になる。10台ぐらいの車が止まっていた。ここから発端丈山へ登る者もあるのだろう。途中、形の美しい錐形の篠鉢山(261m)が見える。さらに山道を歩くと分岐、鶯谷へ出る。そう言えば、先ほどからどこからとも無く、鶯の鳴き声が聞こえていた。鳴き声は、発端丈山を登りきるまで、途絶えることなく続いた。この鶯谷から20分ほどで益寺山への道を分ける分岐になる。ここは明るく開けている。早速お昼にすることにした。鶯谷からは昼ごはんを食べる所を探しながら歩いたが、ヒノキ林の登山路が暗く、ここまで来てしまった。
山腹をトラバースして


益寺山・発端丈山の分岐は明るい

 近くで鶯が鳴いている。途中で買った弁当だが格別に美味しい。分岐を通る者もない。途中、あんなに車があったのに、皆どこを歩いているのだろう。この分岐から先は人工林が消え、明るい雑木林になる。途端に心も朗らかになるので不思議だ。上り坂で房状に下がる白い花を見つけ写真を撮る。後で調べてみると、キブシ(木五倍子)の花であるらしい。329.4mの三角点を越えて急な登りをこなせば発端丈山の山頂である。ここは、駿河湾、富士山の見える好展望地と謳われているが、周囲の樹木が育っていて期待するほどではない。今日は、雲が低く富士山の姿も見えない。山頂はきれいに片付けられてあるが、斜面の下には空き缶が無造作に投げ捨てられてある。内浦集落の有志によって片付けられている様子だが、ごみの投げ捨てには追い着かないのだろう。この燃えないゴミを下ろすのに、一人や二人では足りないほどだ。ごみも拾わずただ登るだけの者として、地元の努力をありがたく思う。
キブシの白い花が咲いていた

 山頂を北へ向うと、じきに長浜と三津への分岐になる。左の長浜口へ、ヒノキの急斜面を下る。ここは、登りに使わない方が良いだろう。傾斜が急な上、暗く展望も無い。人手の入った土地まで降りると、みかん畑になる。耕作の価値が無くなっているのだろうか、標高の高い場所の栽培は放棄され始めている。段畑があるだけで繁殖力旺盛なアオキなどが生い茂っている。みかん畑に沿った細い舗道を遠慮がちに下がると、バス停まではすぐだ。

下山の途中で内浦湾と淡島が見える

左にミカン畑を見て下る

コースタイム

大仁駅09:45−城山341m登山口発10:14−分岐259m10:52−城山頂上11:00〜11−301mピーク往復11:17〜30−分岐262m11:33−ボルダリングの岩11:46〜56−舗装道路11:57−分岐・鶯谷12:20−分岐・十字路12:41〜58−発端丈山13:22〜31−分岐13:34−分岐125m13:51−三津バス停着14:10


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伊豆 城山〜発端丈山

2010年3月22日 
高橋(単独)

発端丈山の山頂前でキブシの花が  近くでは鶯が鳴いて