谷川 湯檜曽川支流ケサ丸沢右俣

2009年8月16日 晴れ
Kさん、ガクさん、高橋

遡行図

 武能沢 湯檜曽川武能沢出合付近 

ケサ丸沢出合と二段25m滝
 湯檜曽川の武能沢出合すぐ上の武能沢の左岸にテントを張って昨夜は熟睡した。昨日の白樺沢遡行と同じルートを白樺沢のケサ丸沢出合へ辿りつく。白樺沢の大滝は相変わらずの迫力で滝を落としている。今日は、結構な人気の沢、ケサ丸沢を遡行する。出合のケサ丸沢は6mのスラブ滝だ。手掛かりが全く無いように見えるが、右端から入ると簡単に上がれる。すぐに二段25m滝が見えてくる。立派な滝だ。下段が傾斜の緩いナメ滝、上段は垂直に近い。傾斜のゆるい下段も濡れた斜面の直登は難しいと判断した。
 ここはガクさんがリードして左の乾いた岩の弱点を中断のテラスへあがる。そこからまともに二段目のフェースを上がるのは経験者のいない我々にとってリスクが大き過ぎる。ここは、安全をとってテラスをさらに左に寄り、斜めに落ち口へ登る作戦を取った。昨日の白樺沢大滝30mと同じく、ルートが目で追える訳ではないので、手探りの遡行になる。昨日、白樺沢の難しい滝を果敢にクリアしたガクさんがまずリードした。8mほど登ったところで支点を取り、後続を確保してもらった。次は、最後尾の高橋がそのままつるべ方式で落ち口左の草付きに入る。要所にブッシュがあったのでビレイを取りながら上がる。しかし、先が見えないため落ち口の位置がいまひとつつかめず、登り過ぎてしまった。一度下降して、後続を確保し登ってもらう。足元の悪い草付きにそれぞれがセルフビレイを取る。ここからは、右方向と思われる落ち口を目指し、傾斜がきつくなった草付きを高橋がトラバースする。落ち口へ向かうリッジなのだろう、運よく階段状の凸を捕らえてそこを降りる。ロープで確保してもらっているので降りる勇気が出るが、確保していなかったら恐いだろう。落ち口まではさらに3m降りなければならなかったが、ここも運よくバンド伝いに降りることができた。落ち口はスラブで支点が取れないのでメインロープを一度返し、最後尾は懸垂で降りてもらいロープを回収した。我々の登攀を滝下で見守っていた二人組みが、我々全員の登攀を待ちきれずに上がってきた。フリーで登ってきたリーダーと思しき女性は30代か。後続も女性だったが、恐くて本気で悲鳴を上げていた。結局この滝では、登攀に一時間以上かかってしまった。

三段20mナメ滝、逆くの字三段滝、10mトイ状滝
 二段25m滝落ち口のすぐ上は、幅広の5m滝でその中央部から水を落としている。幅は20mぐらいあるだろう。スラブのためここを上がるのは難しそうだったが、水流を渡った左岸側に弱点がある。水量が多い場合は左岸に渡るのが恐いだろう。5m滝の上が三段20mナメ滝である。ここは、水流右の乾いたスラブを登るが思いのほか滑る。フリクションの得られるスタンスを選び、滝際のブッシュを掴んで上段まで登った。この上はすぐ二俣となり、右俣へ入る。3mの滝を越えて歩くと、前方に流れが逆くの字に見える大きな滝が見えてくる。ここは下から8m、5m、6mの釜のある逆くの字三段滝だ。下段、中段は簡単に登れたが、上段6mは思案した。滝左のホールドが確かだが、滝下までの釜のへつりが難しく見える。ここは、ガクさんが難しいへつりを突破。先頭を切った。高橋は、右岸を小さく巻いて滝下へ降り、難しいへつりをパスして6mを登った。
 10mトイ状滝はホールドに乏しく、落ち口の辺りも傾斜が強く難しそうだった。クライマーKさんも、確信が持てないため右岸を小さく巻いた。難しくない。この上の10m幅広滝は、中盤が逆層に見える。Kさんが先行。見た目よりホールドが豊富だった。すぐ二俣となり左俣へ入る。

四段30m滝、大連瀑帯
 すぐ6m、10m、6m、8mの四段30mナメ滝になる。三段、四段は良く見えない。ここは、傾斜が急で簡単には登れない一、二段を左から巻いて傾斜の緩い三段の上に降り、四段の右下へ上がる。四段目は傾斜のある8mナメ滝だがとても直登できない。ここは、右のクラックの細い流れに沿って落ち口下まで上がり、その上にホールドがあれば落ち口をかわせるだろう。ここは確保してもらって高橋がリード、だがクラックのホールドが甘く意外に難しい。だましだまし上がった末、落ち口のガバホールドをやっと捕らえて身体を引き上げた。
 この上の二段5mを過ぎると、5m前後のスラブの滝が13個も連続するケサ丸沢のハイライトになる。どの滝も澄んだ水を湛えた見事な釜を従えている。この連瀑帯は、四段30m滝の下から測れば標高差100mが大きな滝になっているとも言える大連瀑帯である。その途中から、対面の白毛門、笠ヶ岳、朝日岳の雄姿を目の当たりにすることができる。四段30m滝の上は難しいところもなく、心の底から自然に喜びが湧き上がって来てしまう。すっかり子供になってしまったKさん、ガクさんはいつの間にか首まで釜風呂に入って悦に入っている。昨日の白樺沢のシャワークライミングで、身体を冷やして苦労した高橋には理性が少しだけ残っていた。釜風呂の誘惑を何とかかわすことができた。この先の二俣は、水の多い左へ入った。

12m黒滝、2、4、10m連瀑
 窪の中にある12m黒滝は、その窪に入れば冷蔵庫の中のように寒い。ここの上部はホールドに乏しく、難しい滝のように見える。だが、ここでもクライマーKさんは登攀本能が刺激されたらしく果敢に挑もうとする。さすがに高橋も心配になったので、「危ないんじゃないか?」と「苦言」を伝えると、ホールドはあるという。言われて良く見てみれば、ホールドが乏しく見えた上部には左端に使えそうなホールドが確かに見える。中間部で一箇所ランニングビレイを取って、Kさんはゆっくりと攀じ登り、落ち口の向こうへ静かに消えていった。続いてガクさんが確保してもらい登攀。高橋は、左岸に見つけた陽の当たる緩傾斜の「天国の巻き道」を歩き、悠々と落ち口へ出たのだった。
 この上を5分も歩くと下から2、4、10mの連瀑になる。10mの滝はかなり傾斜がきつい。目立った弱点もなく、已むを得ず滝左のブッシュとの際を、細かいスタンスにつま先を掛けじりじりと落ち口を攻めた。ここも、Kさんがリードした。この滝の先で、沢幅は狭まり源頭が近い様子を見せてくる。傾斜の緩い10mほどのナメ滝をすぎ、さらに15分ほど登ると、ひょっこり登山道に出た。

下山
 中腹を通る登山道(旧道)を土合方面へ歩く。途中、水量が豊富なケサ丸沢左俣、白樺沢を渡り、武能沢を横切る新道へ降りた。1時間45分で武能沢の渡渉点に到着した。テントを畳んで、新道を歩き約2時間で土合駅に着いた。18:21発の水上行きに間に合う。



右俣・ケサ丸沢出合 6m滝 右端から登れる
左俣・白樺沢 大滝30m 袈裟丸沢は右俣へ


三段20mナメ滝 二段25m滝のすぐ上にある。右の乾いた岩を登った。意外に滑るのでスタンスに注意。上部は、ブッシュを掴みながら登った。
二段25m滝 下段の傾斜が緩いように見えても濡れているところは登れない。左の乾いた岩を上がり中間のテラスに上がる。テラスを左へ移動して、落ち口への弱点を狙ってロープで確保して登攀した。後続のパーティーは、フリーで登り我々を追い越していった。

三段20mナメ滝 スリップに注意 難しいところは右のブッシュをつかむ 逆くの字三段滝(8、5、6m) 下段、中段は容易。上段は釜左をへつって水流左を登った。


10m幅広滝 逆層に見えるが、見た目より簡単。要所にガバホールドがある。
10mトイ状滝 上部のホールドが乏しく、登るのは難しいと判断。右岸を小さく巻いた。


大連瀑帯 5mぐらいの滝が多数連続する
4段30mナメ滝(下から6、10、6、8m) 一段、二段、その上にわずかに4段目が見える。三段目の傾斜は緩い。左のブッシュに入り一、二段を巻いて傾斜の緩い三段に降り立つ。四段目の水流沿いは傾斜がきつく登れない。ここは、右の細流沿いを登る。ホールドは細かい。落ち口はホールドがある。

大連瀑帯  四段30mナメ滝下から標高差100mの間に、18箇所の滝を懸ける大連瀑帯。天気快晴の中、底抜けに明るい沢を楽しむ。対面には白毛門、笠ヶ岳、朝日岳の雄姿を望むことができる。 12m黒滝 岩角が磨かれ結構難しいと思うが、Kさんが冷たい飛沫を浴びながらリード。黒滝上部に差し掛かっている。ガクさんがセカンドを登る。高橋は、左岸の「天国の巻き道」を落ち口へ、あっさりと。


10mナメ滝 全容は見えていない。ここから15分で登山道が横切る。
2、4、10m連瀑 上部の10mは、左を登った。結構傾斜がきつくホールドも細かいが、ブッシュと笹を利用できる。


コースタイム
湯檜曽川・武能沢出合7:13−白樺沢出合7:43−白樺沢・ケサ丸沢出合8:17−二段25m8:40〜9:51−三段20m9:55−二俣10:10〜10:18−逆くの字滝10:27〜10:35−10mトイ状滝10:42−四段のナメ滝30m11:07〜11:43−連瀑帯11:45−二俣(1160m)12:38−12m滝12:45−2、4、10m連瀑13:14〜13:25−10mナメ滝13:34−登山道13:50〜14:05−武能沢15:35〜16:20−土合橋18:10〜土合駅18:20



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