奥多摩 日原川大雲取谷

2009年6月7日 晴れ
W-Climbers
山崎さん、黒川さん、高橋

遡行図

 谷間の暗がりにガクウツギが咲いていた

 ウェルネス・クライマーズ(W-Climbers)の山行きで、大雲取谷を歩いた。今日は、山崎さん、黒川さんが同行だ。W-Climbersは、冬季は山スキー、夏季は沢登り、藪山の精鋭集団だ。特に山スキーの技術は、素人の領域を超えているというのが私の判断だ。夏冬1年中、コンディションの悪くないときは、毎週活動するというのがW-Climbersのセオリーである。遊び過ぎというか、やり過ぎというか、とてもまねができない。本拠地が栃木県にあるため、静岡県の私は、月一度ぐらいの参加だ。しかも、スキーは足元にも及ばないので遠慮している。某沢登り講習で一緒になった山崎さんの紹介でW-Climbersのメンバーに加えさせてもらっている。昨シーズンは、私のアキレス腱の故障のために、W-Climbers行事への参加はほとんどできなかった。という訳でもないが、今年の沢シーズンには、力が入っている。

 大雲取谷は遠い。鳩ノ巣駐車場から日原林道を走って、現地の大ダワ林道入り口まで45分もかかった。大雲取谷の入渓は、唐松谷出合から長沢谷を遡って大雲取谷出合へ到るのが多いようだ。だが、ガクさんからの情報でも、小魚留ノ滝の高巻きが結構難しく時間が掛かるようなので、大ダワ林道入り口から長沢谷上流へ入り、この谷を大雲取谷出合まで下降することにした。出合までの距離は長いが、途中下降が難しい滝は5mCSぐらいなので、こちらのルートがベターだと判断をした。5mCSは、ホールド豊富な右岸をクライムダウンすることができる。だが、落ち口の一歩が気分的に恐い。長沢谷を一時間ほど下って大雲取谷出合へ出ることができた。これから遡行する大雲取谷遡行の良い足慣らしになった。

 大雲取谷は楽しい渓だった。どれも釜のある3〜5mぐらいの小滝が、これでもかというぐらいに次々に現れる。夢中になって釜をへつり、濡れながら滝を登る。今日は、運よく空が晴れ渡り、気温も高かったので寒いという感じはあまりなかった。ただ、小雲取谷のすぐ先で、へその上まで釜に入ったときには、さすがにヒャーっと言ってしまった。大雲取谷の楽しさは、次々に現れる小滝の深い釜を突破する工夫にあるのだろう。小さな緊張と突破のカタルシスが、喜びになるのだろう。まさに、沢登りのエッセンスがぎゅっと詰まっている谷、それが大雲取谷だと思った。私たちに先行した、8人グループの皆さんとは追いつ追われつのレースに発展して楽しかった。3人の身軽さで、最後はW-Climbersが勝利したが・・・。大雲取谷は、大勢でやってきてわいわい騒ぎながら登るのが楽しい沢だと思った。

 今日の大雲取谷の水量は、ガイドブックの写真と比べてやや多いと判断できたが、特に通過困難と思うような箇所は無かったように思う。念のためにロープを出したのは、権衛谷出合前の深い釜のある4m直瀑と権衛谷から40分ほど歩いたところにある左が巨岩のスラブ2m滝、この二箇所であった。深い釜のある4m直瀑では、先行の8人パーティーは、左岸の岩壁を8mほど登ってから、潅木に支点を取って落ち口に懸垂をしていた。ここは、大きく深い釜があり、直登は難しく見えたが滝左の窪に倒木が掛かっていて、何とか登れそうだった。ただし、釜が深いのでその窪に取り付くのは難しそうだ。うーん。しかし、釜を覗いて良く見ると、深い釜はこの窪手前だけが帯状に浅くなっている。恐る恐る釜へ入り窪に取り付いて、後は無手勝流で華麗に登った。ギャラリーが10人ほどいるので、ここは落ちる訳には行かない。ここは、後続の二人にロープを出した。巨岩の2mスラブ滝は、滝の手前に長い釜とスタンスの怪しいスラブが控えている。このスラブから滝に取り付くところがやや難しい。
 ロープは出さなかったが、最も険しいと思い高巻きを覚悟した滝が、小雲取谷出合の手前400mの所にある。深い釜を持ち左右に水を落とす二条5m滝だ。左の流れに沿って登れそうだが、手前には深い釜があり滝に取り付けそうにない。右の流れは、水量が多く水圧に耐えてのシャワークライミングになりそうだった。だが、釜の右を巻いて水流際を探索すると何とかホールドがある。ここは、慎重にホールドを拾いクリアした。大雲取谷で最も大きな滝が、トチノキ窪出合を過ぎた先にある。二条8mの滝だ。ここは、水量が多かったために水流が二条に分かれていなかった。ホールドのある水流左を山崎さんが先行した。
 遡行は標高1400mの二俣で終了した。二俣左岸にはテン場がある。このテン場から左岸の斜面を戻るように緩やかに斜上する踏み跡がある。登山道(大ダワ林道)までは5分ほどだ。そこから入渓点までは約1時間で下ることができる。

 大雲取谷は、大きな滝が少ないため遡行の目標物が少ない上、小滝が次々に現れるので、現在地の確認が難しい。そのため、遡行図を描くのはなかなか難しい。自分が持っているガイドブックの遡行図もかなりラフであまり参考にならなかった。
 小雲取谷と大雲取谷の水量比は1:1だった。小雲取谷も面白い谷のような気がする。いつか行ってみたいと思う。沢に一泊することになるだろう。どんな世界が開けるのだろうか。
 5月は、思いもかけない葬儀が二つ続き、次の週は甥の結婚式で札幌へ出掛けた。めずらしく忙しい5月だった。おかげで1ヶ月近く沢歩きをご無沙汰した。6月はいよいよ本格的な沢のシーズン到来。馬力を上げるぞー。



長沢谷の下降中に現れる5mCS 右岸を下降
     第一崩壊地 斜面の大半が崩壊している

第二崩壊地先の3m滝 深山の雰囲気が漂う 続いてこんな滝もあった 滑らないように越えて

落ち口の一歩に力が入る 段々の小滝も幾つか越えて

権衛谷先の淵、右岸を突破する山崎さん 左大岩のスラブ2m滝 左岸をへつるが難しい

小雲取谷出合の手前400mに忽然と現れた二条5m 大きな釜右を回り込んで水流右端に取り付く しっかりしたホールドがあった

小雲取谷出合すぐ手前 小雲取谷出合で休憩 明るい日差しが射し込んでいた

S字峡の核心二段滝を越えてガッツポーズをとる二人

S字峡先のナメ 大雲取谷ではめずらしい トチノキ窪の出合に巨岩がある その上には樹が

チノキ窪出合先の二条8m滝 水量が多いので二条に分かれていない

二条8m滝をリードする山崎さん 今日は水量が多いようだ



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