奥秩父 大洞川荒沢谷、桂谷

2009年4月18,19日
 荒沢谷:クマチ、S、K、SO、高橋
 
桂谷 :クマチ、S、K、SO、NK
     ガク、高橋
 (敬称略)



遡行図 荒沢谷
遡行図 桂谷


4月18日 荒沢谷 晴れ
 朝方は、雲の多い日だったが、秩父湖バス停で落ち合い、荒沢橋に到着する頃には雲も晴れ渡り、絶好の沢日和となっていた。暖かい日だった。林道を走る間にも分かるが、この山域の岩はもろい。荒沢谷遡行の間にも大きな音を立てて岩が崩落する音を二度ほど聞いた。

 今日は、さわねの今シーズン二回目の沢行きだ。今日がシーズン最初の人もいる。それぞれの思いを抱いて、5名の荒沢谷遡行が始まる。今日は、狼谷出合の先で本流が大きく東へカーブした後の二俣まで遡行して、同じ沢を下降する予定だ。
 荒沢橋の右岸を降りて歩き始めるが、大きな岩のゴーロで歩きにくい。右に左に渡渉して進むが、石についたヌル苔で足元がすべる。15分ほど歩くと3mCSになる。大岩の間から水を落し大きな釜を造っている。この滝は、足元の悪い左を小さく巻いた。この上は2mほどのナメ滝が三段連続する。ナメを滑る泡立つ水流を眺めていると飽きることが無い。

3mCS 3mCSの上のナメ小滝

3mCSの上のナメ小滝 桂谷出合手前

 明日登るはずの桂谷の出合を過ぎると、すぐに4m滝となる。5m末広がり滝、4m、3m滝と続く。じきに左から入るアシ沢を見送る。5m二条滝、そして3m滝を楽しみながらゴーロを歩く。二段7m滝を左から小さく巻いた先には、大きな滝が現れる。入渓して初めての滝らしい滝だ。釣師が竿を伸ばしている。釣果は上々のようだった。このベンガラの滝8mは、確かに左の岩の下がベンガラのごとく赤いといえば赤い。ここは、水流右のカンテを登れるらしいが、難しく見える。滝左の大岩を巻いた。落ち口上を懸垂で降りたのは、クマチさん、Kさん、SOさんだった。Sさんと高橋は、ゴルジュの上をトラバースして先のガレを沢へ降りた。

ベンガラの滝8m 菅ノ平付近の3m滝

 4m滝を二つ過ぎると沢の傾斜が緩くなり、右岸に段丘が見えるようになる。菅ノ平と呼ばれるこの辺りは、どこでもテントを張ることができる。毒草のハシリドコロが旨そうな葉を伸ばし、小さな花を咲かせている。「食すれば走る」との由来の命名だと。Sさんの博学が何気ない。
 3〜4m滝を幾つか越え、ゴルジュに突っ込むとすぐに3mほどの滝に行く手を阻まれる。左の岩を上がりその先を覗くと、V字の暗いゴルジュの中に深い釜を持つ3m滝が口をあけている。うーん、ここは本流突破は難しい。ここが井戸淵らしい。今日初めての難関だ。菅ノ平からトップを歩いていた高橋は、さわねのホープKさんにリードをお願いする。Kさんは、ゴルジュ右岸の窪に堆積した土のグズグズを足元固めながら一歩一歩高度を稼ぐ。途中、太い倒木に支点を取り、ロープを降ろしてもらった。その上の古いがしっかりと効いた残置スリングを右へ折れると踏み跡がある。踏み跡は、ゴルジュの上をトラバースしてその先の狼谷出合へ続いている。出合の下降には、念のためロープを出した。
 狼谷出合は、水量比1:1の顕著な二俣だ。どちらもまだまだ水量が多い。左の本流、V字谷へ入るとじきに小さなゴルジュになる。2m程度のホールドの少ないスラブ滝が五つほど連続している。それぞれに小さな釜を従えているので、釜をへつりながら進む他は無い。なかなか面白いところだ。いずれの滝も、右岸をヘつりながら滝を越えた。ゴルジュを過ぎると沢の傾斜が緩やかになり沢が左へ大きくカーブする。いつの間にか、午後三時少し近くになっていた。今日はここまでで沢を下ることにした。遅い出発を考慮しても、我々の足ではこの沢の日帰りは厳しい。

4月19日 桂谷 晴れ
 荒沢谷の遡行メンバーに加え、18日夜からガクさんが参加、NKさんは19日朝からの参加だ。ベースキャンプの献立は豪華だった。ガクさんが、中トロ、鯨のベーコンを差し入れ、SOさんからは、ビール、ヒレ肉味噌漬けの差し入れがあった。楽しい夜でした。ご馳走様。クマチさん調理の特別カレーもまた絶品でした。
 そして今日は、総勢7名の大部隊になった。遡行の予定は、標高1100mの二俣下の大滝までだ。桂谷出合までは、隊列を組んで昨日と同じ荒沢谷を歩く。途中の3mCS滝。パワーをもてあましている連中が滝右から回り、2mナメ滝の大きな釜を左岸から巻いた。昨日より速いペースで桂谷出合に到着。


荒沢橋から遡行開始 今日は七人も 桂谷出合から荒沢谷、釣師が二人

 桂谷に入ると10分ほどで最初の関門6m滝になる。ここはゴルジュで左右切り立っている。左岸上部にトラロープが見える。結構際どい巻き道のように見える。滝の右端を、Kさんがフリーで登る。ここは一見ホールド豊富に見えるが、取り付きと中間で細かいホールドを拾うことになる。さぞかし、厳しい登りだったろう。もちろん我々一同は、ロープで確保してもらったが、私は取り付きで一度、中間で一度停滞してしまった。みんなもきっとスリル満点で登ったと思う。釣師が入る巻き道があると思うが、ここは大きく巻いているのだろうか。

最初の難関6m滝 結構難しい 三つ目の滝5m 右を登った

 この滝の上はすぐ斜めにバンドが入った4m滝だ。ここは、滝右の際を登る。この上5m滝も同じく右を登る。さらにその上の5m滝は、簡単に右を巻く。その先はゴルジュ入口に面白いスラブの3mトイ状滝がある。スラブの細かいホールドと沢靴のフリクションを頼りに、滝壺に滑り落ちる重力に耐えなければならない。なかなか怖い。だが、ここは落ちても命には別状は無いだろう。この滝を越えると、斜瀑の15m滝が眼の前に現れる。ゴルジュの中のこの滝には圧倒される。どこにも登る手掛かりが見つからない。最初、滝右岸の第二ルンゼを上がり、Kさんが高巻きのルートを探ったが断念。一度下へ降りて大高巻きを覚悟した。その後、クマチさんが第一ルンゼの登攀を提案し、Kさんが際どい登りを開始した。皆が見守る中、じりじりと高度を稼いで核心を突破、落ち口上部へ支点を取った。ロープを降ろしてもらい全員が上がり、その後足元不安定の踏み跡をトラバースし、懸垂で沢へ降りた。うーん厳しい巻きだった。
 ここからは、ゴーロを歩いて4m滝、三段10m滝を越え、二俣前の6、3、3、15mの四段滝になる。標高1100mの地点だ。すでに正午に近い。温かい日差しの中で昼食を採り、ここから沢を下降することにした。ここは、桂谷の三分の一に過ぎない地点だ、完全遡行するには、沢泊で計画することになるだろう。


二俣前の四段滝 最上部15m

 沢を下るにも、15m斜瀑の高巻きを再トライしなければならない。際どいトラバースをスリングベタ掛けで突破して、落ち口上からは30mロープ二本を繋いで懸垂した。そして、その下のあの3mスラブ滝の滑り台を、危ういバランスで降りるスリルが待っていた。ここは軽くロープを出した。桂谷の出合を過ぎ、荒沢橋の駐車場に到着したのは、午後3時半だった。やれやれ。

コースタイム
4月18日  荒沢橋9:30−桂谷出合10:17−ベンガラの滝8m10:50〜11:05−同滝上11:23−菅ノ平11:53〜12:25−井戸淵13:07−狼谷出合14:16−標高1230m地点14:45〜14:57−同地下降開始14:57−狼谷出合15:23−井戸淵下16:05−17:27桂谷出合−荒沢橋18:05  4月19日  荒沢橋8:15−桂谷出合8:50−6m滝9:02−15m斜瀑の滝9:55−同滝上11:16−四段滝下(標高1100m)11:45〜12:30−同地から下降開始12:30−15m斜瀑の滝下13:42−6m滝下14:50−桂谷出合14:52−荒沢橋15:30



Home   Back